「洪水が来たら、車を巨大なビニール袋みたいなもので包んで守る」
そんな話を見かけた。
最初に聞いたときは、
「そんなの都市伝説でしょ?」
と思った。
ところが調べてみると……。
なんと、車を丸ごと防水シートやバッグで包み、浸水から守る製品が実際に存在する。
しかも驚くことに、製品によっては、
「車を水から守る」だけではなく、「車そのものを浮かせる」
という発想まで取り入れられている。
今回は、この一見すると信じられない「車の水没防止システム」を調べてみた。
「車をビニール袋に入れる」って本当?
結論から言えば、本当だ。
ただし、家庭用のビニールシートを車に巻き付けるような簡単な話ではない。
実際には、車両全体を覆う大型の防水バッグや特殊シートを使用する。
代表例のひとつが、**「水甲斐・SUI GAI」**という車両用の水害対策製品。
車を大型の防水バッグの中に入れ、開口部を閉じることで、水の侵入を防ぐという仕組みだ。
公開されている製品情報では、車両全体を覆う大型サイズとなっており、防水ファスナーなどを使用している。
つまりイメージとしては、
車版の巨大な防水バッグ。
「そんなものが本当にあるのか?」
と思ってしまうが、実際に製品として開発されている。
さらに驚いたのが「車を浮かせる」という発想
ここからが、この話の一番面白いところ。
洪水が発生すると、車は単純に水に浸かるだけではない。
水位が上昇すると、
車そのものが浮く可能性がある。
しかし、普通の車は防水ボートではない。
ドアやボディの隙間から水が入り、車内にも水が入ってくる。
すると車両重量が増え、最終的には沈んでしまう。
そこで考えられたのが、
「だったら車を防水シートで包んで、水を車内に入れなければいい」
という発想だ。
車が浮く仕組み
考え方は意外と単純。
例えば、
車両重量:約1,500kg
だったとする。
水に浮くためには、車と防水シートを合わせた重量以上の浮力が必要になる。
これはアルキメデスの原理で説明できる。
水に押しのけられた体積が大きくなれば、その分だけ浮力も大きくなる。
つまり、
車+防水シート
で水を押しのけることで、車体を支える浮力が発生する。
ただし、ここで重要なのが、
「車は普通にしておけば浮き続けるわけではない」
ということ。
普通の車が沈んでしまう理由
車には大量の空気が入っている。
そのため、最初はある程度浮力が発生する可能性がある。
しかし洪水が車内に入り込むと話が変わる。
水が入れば、
車両重量+車内に入った水の重量
となる。
浮力よりも重力が大きくなれば、車は沈む。
だからこそ、防水シートやバッグによって、
「車内への浸水を防ぐ」
ことが重要になる。
実際に「車が浮く」実験も行われている
ここが単なるネット上の噂とは違うところ。
車両用の水害対策製品では、実際に車をシートやバッグで覆い、水を張った環境で浮かせる実験が公開されている。
「水甲斐・SUI GAI」では、アルファードを使用した公開実験で、車両がバッグごと浮いている状態が紹介されている。
また、別の車両水没防止製品でも、車両をシートで覆って浮力を確保するという考え方が採用されている。
つまり、
「車を巨大な袋に入れたら浮く」
という話は、完全な都市伝説ではない。
むしろ、
実際に製品化されている防災技術
だった。
「カーネプチューン フロート」という製品もある
もうひとつ興味深いのが、
「カーネプチューン フロート」
という車両水害対策製品。
こちらは車の下にターポリン製のボトムシートを敷き、車両を固定する構造になっている。
水が入ってくると、シートによって浮力を確保し、車両を浮かせるという考え方だ。
つまり、
普通の車
洪水
↓
車内に浸水
↓
重量増加
↓
沈没
という流れになる。
一方で、
浮上システム
洪水
↓
防水シートで車両を保護
↓
浮力が発生
↓
車両を水面上に保持
という考え方になる。
ただし「浮けばOK」ではない
ここはかなり重要。
車を浮かせることができたとしても、
洪水の中で車が流されたら意味がない。
例えば、
- 流木
- 石
- フェンス
- 他の車
- 家具
- 看板
- その他の漂流物
などが車に衝突する可能性がある。
さらに水流が強ければ、車そのものが流される危険もある。
そのため製品によっては、
「車を浮かせる」+「車を係留する」
という考え方が採用されている。
「浮かせる」だけではなく、
「流されないようにする」
ことまで考えなければならない。
防水バッグなら絶対に大丈夫なのか?
ここも注意が必要。
絶対ではない。
製品の構造や設置方法、水深、水流、漂流物などによって結果は変わる。
特に洪水は、単純な「水たまり」とは違う。
水が流れている場合には非常に大きな力が車にかかる。
また、メーカーが公開している実験結果は、その製品の性能を確認するためのものであり、
「どんな洪水でも車を守れる」
という意味ではない。
実際、公開実験について第三者機関による試験ではない旨を明記している製品もある。
だから、
「これがあれば洪水でも車は絶対安全」
と考えるのは危険だ。
RX-7(FD3S)を守るなら?
ここでKEN97 GARAGE的に考えてみる。
もし大切なRX-7(FD3S)を所有していて、
「自宅周辺が浸水する可能性がある」
という状況だったらどうするだろうか。
一番確実なのは、
そもそも浸水する場所から車を移動させること。
これは防水バッグより優先したい。
例えば台風や大雨が予想されているなら、
① ハザードマップを確認
↓
② 周辺の浸水リスクを確認
↓
③ 早い段階で高い場所へ移動
↓
④ 移動できない場合に車両用水害対策を検討
という順番が現実的だ。
洪水が始まってから、
「やっぱり車を移動させよう」
では遅い可能性がある。
「車を浮かせる」という発想が凄い
今回調べてみて一番驚いたのは、
洪水対策が「車を水から守る」だけではなかったこと。
最初は、
「車を巨大なビニール袋に入れる?」
という変わったアイデアに見える。
しかし仕組みを調べると、
防水
↓
浸水防止
↓
浮力確保
↓
車両流出防止
という、かなり合理的な防災設計になっている。
まとめ|「車を巨大な袋に入れて浮かせる」は都市伝説ではなかった
今回の結論。
「洪水のとき、車を巨大な防水バッグに入れて守る」
これは本当に存在する。
さらに製品によっては、
「車を浮かせる」
ところまで考えられている。
一見すると、
「そんなことできるの?」
と思ってしまう。
しかし実際には、車両水害対策として製品化され、公開実験も行われている。
ただし、
浮く=絶対安全
ではない。
洪水では水流や漂流物、車両の流出など別の危険も存在する。
だから最も重要なのは、
「車を浮かせること」ではなく、「浸水する前に安全な場所へ移動すること」。
そのうえで、どうしても移動できない場合の最後の手段として、
車両用の防水・浮上システム
という選択肢が存在する。
🚗 KEN97 GARAGE的に一言
「車を巨大なビニール袋に入れて浮かせる」
最初は完全に都市伝説だと思った。
ところが調べてみたら、
本当に商品があった。
しかも、
「浮かせる」ための理屈までちゃんとある。
車好きとしては、
「そんな発想あるのか……」
とちょっと感心してしまう。
洪水や豪雨が増えている今、
愛車を守る防災グッズ
として、こういう技術を知っておくのは悪くないかもしれない。
※本記事は車両用水害対策製品の仕組みを紹介するものであり、特定製品による車両保護を保証するものではありません。実際の使用時は各製品メーカーの説明書・設置条件・注意事項を必ず確認してください。
参考・確認日
- 株式会社プロジェクト琉球「水甲斐・SUI GAI」:2026年10月12日確認
- リンテック21「カーネプチューン フロート」:2026年10月12日確認
- BSLB「カーパッくん」:2026年10月12日確認
- Makuake「水甲斐・SUI GAI」掲載情報:2026年10月12日確認
- 静岡新聞・SBS等で報じられた車両水没防止シートの実証関連情報:2026年10月12日確認



