ガソリン、高くないですか?
車に乗る人なら、給油するたびに感じていると思います。
特にハイオク指定のスポーツカーに乗っていると、その負担は決して小さくありません。
僕が乗っているのは、マツダ RX-7 FD3S。
ロータリーエンジンを搭載した大好きな愛車ですが、当然ながらガソリンはハイオクです。
好きで乗っている車だから、維持費がかかることは理解しています。
でも、最近のガソリン価格と政府の補助金に関する説明を聞いていると、どうしても気になることがあります。
そもそも、ガソリン1リットルの値段は、何で決まっているのだろう?
原油の仕入れ価格はいくらなのか。
精製や輸送にいくらかかっているのか。
ガソリン税はいくらなのか。
消費税はいくらなのか。
そして、政府が支給している補助金は、最終的に誰のところへ届いているのか。
ガソリン価格が上がれば、国民は負担する。
補助金を出せば、その財源も国民が負担する公的なお金だ。
それなのに、1リットルの価格がどのような内訳で構成されているのか、普段の給油ではなかなか見えてきません。
今回は2026年10月31日時点の公表資料をもとに、ガソリンの税金、補助金、石油元売りの仕組みを調べてみました。
これは単なる値上げへの不満ではありません。
自分たちが支払っているお金について、きちんと知りたいという話です。
ガソリン補助金の見直し。2026年10月に何が起きている?
2026年10月29日、高市総理は燃料油価格の激変緩和措置について、今後の対応を説明しました。
政府の説明によると、ガソリン価格を抑えるための補助金は、現在1リットルあたり50円を超える水準になっています。
そして、2026年10月29日以降のガソリン補助金の支給単価は52.4円/Lです。
政府は、12月以降、原油価格の動向を見ながら、ガソリン価格の基準価格を毎月5円ずつ引き上げていくことを基本方針としています。
補助金に使われている金額はどれくらい?
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 2026年10月29日以降のガソリン補助単価 | 52.4円/L |
| 1日あたりの財政負担 | 100億円超 |
| 2022年の制度開始以降の基金支出額 | 約9.6兆円 |
| 高市内閣での基金支出額 | 約1.4兆円 |
※2026年10月29日の首相会見で示された数字です。
約9.6兆円。
数字だけでは、なかなか実感できないほど大きな金額です。
もちろん、ガソリン価格を抑えることには意味があります。
ガソリンは自家用車だけでなく、物流、農業、漁業、バス、タクシーなど、さまざまな産業に関係しています。
燃料価格が上がれば、最終的には商品やサービスの価格にも影響する可能性があります。
ただ、ここで考えたいことがあります。
これだけのお金を使っているのなら、国民が納得できる説明も必要ではないでしょうか。
ガソリン1リットルのうち、税金はいくら?
まず、ガソリンにかかっている税金を確認してみます。
2025年12月31日には、ガソリン税の暫定税率が廃止されました。
それまで上乗せされていた1リットルあたり25.1円がなくなり、揮発油税と地方揮発油税の合計税率は28.7円/Lになっています。
現在の主な税金の内訳
| 税金の種類 | 1Lあたり |
|---|---|
| 揮発油税 | 24.3円 |
| 地方揮発油税 | 4.4円 |
| ガソリン税合計 | 28.7円 |
| 石油石炭税 | 2.8円 |
| 消費税 | 販売価格によって変動 |
ここで見落としたくないのが消費税です。
ガソリンの販売価格には、ガソリン税や石油石炭税などが含まれています。
そして、その価格全体を基礎に消費税が計算されます。
つまり、ガソリン税などを含んだ価格に消費税がかかる構造です。
いわゆる「税金に消費税がかかる」と言われる部分ですね。
実際にハイオク181円で計算してみる
今回はFD3Sオーナーという立場から、ハイオクで計算してみます。
資源エネルギー庁の石油製品価格調査を出典とする2026年10月26日時点の全国平均価格では、ハイオクは181.0円/Lです。
この181円を例に、税金を計算してみます。
ハイオク1リットルの価格(計算例)
181.00円
| 揮発油税・地方揮発油税 | 28.70円 |
| 石油石炭税 | 2.80円 |
| 消費税(概算) | 16.45円 |
| 税金合計 | 47.95円 |
| 税金以外の価格 | 133.05円 |
※181円/Lを税込価格とした概算。消費税は181円÷11で算出。端数処理前の参考値です。
181円のうち、約47.95円が主な税金という計算になります。
割合にすると約26.5%です。
ただし、残った133.05円が、そのまま原油の仕入れ価格というわけではありません。
この中には、原油の調達費用、精製費用、輸送費用、保管費用、卸売や販売に関係する経費、各事業者の利益などが含まれています。
ここを正確に分けるには、各段階の実際の取引価格やコストが必要です。
だからこそ、原価と利益の内訳も知りたいのです。
補助金は誰が受け取っているのか?
ここが今回、特に気になった部分です。
政府がガソリン価格を抑えるために補助金を出していると聞くと、消費者に直接お金が配られているように感じるかもしれません。
しかし、実際の制度は違います。
資源エネルギー庁の説明によると、補助金は燃料油の元売り業者に対して、価格引き下げの原資として支給されています。
補助金の流れ
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つまり、補助金を受け取るのは一般のドライバーではなく、元売り業者です。
その補助金を卸売価格の引き下げに使い、最終的に小売価格を抑える仕組みになっています。
ここで重要なのは、補助金が支給された金額と、実際に店頭価格が下がった金額は、必ずしも同じとは限らないことです。
原油価格、為替、在庫、流通コストなど、ほかの要因も価格に影響するからです。
元売り業者が補助金で儲かるのか?
ここは慎重に考える必要があります。
元売り業者が補助金を受け取っていることは、政府の資料で確認できます。
しかし、それだけで元売り業者が補助金を利益として丸ごと受け取っているとは言えません。
実際に利益が増えているのかを確認するには、補助金の受給額だけでなく、補助金適用前後の卸売価格、調達費用、販売量、利益率などを比較する必要があります。
僕が知りたいのは、まさにそこです。
補助金を52.4円支給した結果、卸売価格は何円下がり、店頭価格には何円反映されたのか。
この数字が見えれば、制度がどのように機能しているのか、国民にも判断しやすくなるはずです。
なお、2026年3月19日付の資源エネルギー庁と公正取引委員会の要請文書では、元売りや輸入商社に対して適正価格での販売や独占禁止法の遵守を求めています。
価格の適正性について、政府自身も注意を払っていることが分かります。
補助金の財源は誰が負担しているのか?
もう一つ、忘れてはいけないことがあります。
補助金は、どこかから突然湧いてくるお金ではありません。
国の予算や基金など、公的な財源を使って支出されています。
その財源は、税収や国債などを含む国の財政全体と関係しています。
つまり、国民や企業が負担するお金、そして将来の財政負担にも関係する問題です。
ただし、ガソリン補助金の全額がガソリン税だけから支払われているわけではありません。
この点は誤解しないようにしたいところです。
2026年10月29日の首相会見では、補助金の財源確保のため、中東情勢等対応予備費の使用についても説明されています。
補助金を出すこと自体が悪いという話ではありません。
急激な価格上昇から生活や産業を守るために、必要な場面もあるでしょう。
ただ、これだけの公費を使うのであれば、支給額だけでなく、効果やお金の流れについても分かりやすく説明してほしいと思います。
「補助金のありがたみを分かってほしい」という説明について
今回の補助金見直しについて、報道では補助金が長く続くことで、価格を抑えている効果が当たり前になってしまうという趣旨の説明も取り上げられています。
確かに、補助金によって店頭価格が抑えられているなら、その効果を知ることは大切です。
しかし、僕は少し違う疑問を感じます。
補助金のありがたみを理解してほしいのであれば、まず、どのような仕組みで価格が下がっているのかを説明してほしい。
何円の補助金が支給され、卸売価格がどれだけ下がり、店頭価格にどれだけ反映されたのか。
そして、そのために公的な財源がどれだけ使われているのか。
そこまで分かって初めて、国民は制度の効果を自分で判断できます。
なお、2026年10月29日の首相官邸の公式会見で説明されている見直しの主な理由は、巨額の財政負担、原油価格の動向、制度の持続可能性や出口戦略です。
報道上の表現と、公式会見で説明された政策理由は分けて受け止める必要があります。
FD3Sオーナーにとって、ガソリン代はどれくらいの負担?
ここで、少し自分の車に置き換えてみます。
FD3Sはハイオク指定。
好きな車だから乗り続けたいけれど、給油するたびに費用はかかります。
例えば、ハイオク181円/Lで60L給油した場合、給油金額は次のようになります。
| 給油量 | 給油金額 |
|---|---|
| 30L | 5,430円 |
| 40L | 7,240円 |
| 50L | 9,050円 |
| 60L | 10,860円 |
※全国平均ハイオク181円/Lを使った単純計算です。実際の給油金額は店舗価格や給油量によって変わります。
さらに、車を維持するにはガソリンだけではありません。
- エンジンオイル
- プラグ
- タイヤ
- 冷却系のメンテナンス
- 車検・自動車税
- 故障や経年劣化への対応
FD3Sのような年式の古いスポーツカーでは、こうした維持費も考えなければなりません。
それでも乗り続けたい。
だからこそ、ガソリン価格についても、できるだけ納得できる仕組みであってほしいと思います。
FD3Sの維持に必要なカー用品や工具については、こちらの記事でも紹介しています。
▶ FD3SオーナーがAmazonで買ってよかったカー用品・工具15選
本当に知りたいのは、ガソリン1リットルの原価と利益
ここまで調べて、改めて思ったことがあります。
僕たちが普段見ているのは、ガソリンスタンドに表示されている最終的な販売価格です。
しかし、その価格に至るまでの過程は、一般の消費者には見えにくいものです。
例えば、次のような情報を1リットル単位で公表してほしいと思います。
| 項目 | 知りたい内容 |
|---|---|
| 原油調達費 | 原油を仕入れるための費用 |
| 精製費 | ガソリンを製造するための費用 |
| 輸送・保管費 | 製油所から販売店までの費用 |
| 元売り卸売価格 | 補助金適用前・適用後の価格 |
| 元売りの利益 | 事業全体の利益と販売量 |
| 小売店の利益 | 販売価格から経費を引いた利益 |
| 税金 | ガソリン税・石油石炭税・消費税 |
| 補助金 | 支給額と価格への反映状況 |
もちろん、企業ごとの仕入れ条件や在庫状況は異なります。
すべての会社が同じ原価になるわけではありません。
だからこそ、個別企業の営業秘密を公開しろという話ではなく、国民が制度の効果を検証できる集計データを公表してほしいのです。
補助金が本当に価格抑制に役立っているのか。
そのお金が流通のどの段階で、どれだけ価格に反映されているのか。
これを確認できるようにすることが大切だと思います。
まとめ|ガソリン価格を決める仕組みを、もっと見えるようにしてほしい
今回、ガソリンの税金や補助金について調べてみました。
分かったことは、ガソリン価格は単純に原油価格だけで決まっているわけではないということです。
- 原油の輸入価格や為替が影響する
- 精製・輸送・販売などの費用がかかる
- ガソリン税や石油石炭税が含まれる
- 消費税もかかる
- 政府の補助金は元売り業者に支給される
- 補助金の効果は最終的な販売価格にも影響する
そして、今回一番伝えたいことがあります。
補助金を減らすことを説明する前に、補助金がどのように使われているのか、もっと分かりやすく説明してほしい。
国民が負担する公的なお金を使うのであれば、その使い道と効果を知る権利があると思います。
ガソリン税がいくらなのか。
消費税がいくらなのか。
原油の調達や精製、輸送にいくらかかっているのか。
元売り業者の卸売価格はどうなっているのか。
そして、補助金によって実際に何円安くなっているのか。
こうした情報を、国民が理解できる形で公表してほしい。
僕は、FD3Sにこれからも乗り続けたいと思っています。
好きな車を維持するために、必要な費用を負担することは理解しています。
でも、負担する側として、価格の仕組みを知りたいと思うのは自然なことではないでしょうか。
ガソリン1リットルの価格。その内訳を、もっと透明に。
皆さんは、今のガソリン価格や補助金の仕組みについて、どう感じていますか?
ぜひコメントで意見を聞かせてください。
KEN97 GARAGEでは、これからも車好きの目線から、気になる自動車業界やカーライフの話題を取り上げていきます。
参考資料・出典
この記事は2026年10月31日時点の公表資料をもとに作成しています。ガソリン価格、補助金単価、税制は今後変更される可能性があります。価格の内訳は公表価格をもとにした概算であり、元売り各社の実際の原価・利益を示すものではありません。



